toriyama

GEAIM ピープル第 11 回には、『Quake3』や『Quake Live』をメインにプレーする toriyama 氏が登場です。日本のゲーミングデバイスメーカー『ARTISAN』のマウスパッドテスター務めるなどの活動をする toriyama 氏が、GEAIM の質問を通じて『Quake』シリーズを 10 年プレーして得た知識・練習方法を公開してくれました。

0. 前提として

toriyama という名前で『Quake Live』をプレーしています。 まずそもそもの前提として、僕は特にすごい実績とかないです!! 今まで GEAIM のインタビューにご回答された方達は 世界大会に出場していたり、イベントを企画されていたり、大会での実況を任されていたりなど 多くの実績がある中、特にこれといって実績の無い僕が指名を受けてしまい大変恐縮ですが、インタビューに答えさせていただきます。

『Quake Live』や『Quake3』を含めると『Quake』シリーズを10 年ほど遊んでいる事になるのですが、10 年間で得られた事や人生に影響を与えた事などについて書かせていただきました。

1. ゲームのプレーネーム(ニックネーム)の由来を教えていただけますか?

Quake3 時代は Bart(ザ ・ シンプソンズというアニメの主人公)という名前で遊んでいましたが、 知り合いから「鳥っぽい名前」といわれたので toriyama という名前にしました。

Quake3 をやっていた当時は若かったので、格好いい名前(今考えると中 2 病的な名前)にあこがれていたこともありましたが 日本人なのに欧米的な名前だとオフで会ったときに恥ずかしいことに気づいたので、日本人的な名前にしたかったというのもあります。 tori じゃなくて toriyama にしたのはドラゴンボールで有名な世界の鳥山明先生から頂きました。ごちそうさまです。

2. 初めてプレーした FPS や PC ゲームについて教えていただけますか?

2000 年ごろ自分用の PC を購入し、知り合いに誘われて Quake1 のマルチ(QuakeWorld)を遊んでいました。 Quake1 は雰囲気が暗くて怖かったのでシングルをクリアできなかったです。 10 年以上 FPS をやっていてシングルをクリアしたことがないのは Quake1 のせいかもしれないですね。

Quake1 のマルチで 1 ヶ月くらい遊び、その後は知り合いから Quake3 を勧められて遊び始めました。 最初に Quake3 の映像を見た時は綺麗さに驚いたことを覚えています。 初めてバーチャファイターをゲーセンで見た人たちは「画面の中に人がいる」と形容していましたけど、 僕も Quake3 でそれを感じました。オープニングの Sarge の映像のクオリティもさることながら実際のプレイ映像にも衝撃を受けましたね。 まさか 10 年後も同じゲームをやっているとは思わなかったですが。

Quake3
世界中の FPS プレーヤーを魅了する『Quake III Arena』

FPS 以外の PC ゲームで始めて遊んだものは Age of Empires 2:The Age of Kings(AoK)です。 AoK をやって RTS は無理と悟り、RTS への苦手意識を植え付けられた思い出深いタイトルです。

3. 初めて参加したゲームの大会またはイベントの事を覚えていますか?よろしければ当時の事を教えて頂けますか?

2000 年の 12 月 31 日、渋谷にあった Necca というネットカフェで Quake3 大会『JAPAN ARENA ZERO』が開催されたのでクランのメンバーと参加しました。 僕の所属していたクランは順当に勝ち進み決勝まで進んだのですが、 決勝戦で『DeadlyDrive』という BRZRK さんが所属するクランと対戦し、フルボッコにされて 2 位という結果でした。 圧倒的な実力差で何もできずに殺されまくったことを覚えています。

BRZRK さんは今では『サドンアタック』や『Alliance of Valiant Arms』などのオフラインイベント等で活躍されているのでご存知の方も多いと思いますが、現役時は『Quake3』で世界大会の『QuakeCon 2000』と『World Cyber Games』、『Counter-Strike』で 『World Cyber Games』や『Cyberathlete Professional League』に出場されています。

BRZRK
ゲーム記事の執筆やイベントで活躍。「俺が ZEX だ!」のセリフで有名。

僕はその頃 Logitech のボールマウスとエアパッドプロを使用していました。 今のようにゲーミングデバイスが豊富にあるわけではなく、性能のいいマウスが限られていたので Microsoft 製か Logitech 製のボールマウスを使用している方が多かったです。 そんな中、D2 の BRZRK さんや KRV さんは Razer の Boomslang というゲーミングマウスを使用していて、僕も欲しいなあと思ったことを覚えています。 Boomslang は当時世界最強と言われたプロゲーマー Fatal1ty 選手が使用していたことで有名ですね。

Razer Boomslang 2007
Fatal1ty が使用し優勝を重ねることで有名になったマウス。
画像は復刻版。(参考: Razerの歴史)

マウスパッドも今のように様々な種類があるわけではなかったので、エアパッドプロや 100 円の布のマウスパッドを使用している方が多かったです。 当時のことを考えるとここ 10 年でゲーミングデバイスはものすごく増えたなあと思います。 ゲーミングデバイスの登場によって aiming のレベルも数段階上がったように感じます。

大会の後は Necca でクランのメンバーと遊んで年を越し、深夜 2 時だか 3 時ごろに帰宅したら親にものすごく怒られたのを覚えています。 それ以外にも Quake3 の知り合いの家に 3 日間無断外泊したら捜索願いを出されてしまい、1 週間高校を停学くらったりしましたが、真似しないほうがいいですね。

4. 現在の主な活動についておしえて頂けますか?

今は QuakeLive や SF4、HoN などでのんびり遊んでます。 学生時代と比べて時間が取れないので、仕事を優先しつつ空いている時間にゲームをやるというスタイルです。 最近はあまり活動できていないですが、QuakeLive では pink というクランに所属しており、CTF などを行ってます。QuakeLive に新規参入してくる方は比較的若い人が多いのでいい刺激になります。 コミュニティ自体は大人(というかおっさん)が多く非常に落ち着いているので、遊びやすいのではないでしょうか。

また、uNleashed さんに誘ってもらって ARTISAN のテスターもやっています。 飛燕は試作品を含めてかなり使い込み愛着があるので、たくさん売れてほしいなあと思います。

それ以外にも、新しいマウスやマウスパッドが出たらとりあえず触ってみて、感触がよければ買ってレビューをブログに書いてます。 新しいデバイスを試すのが楽しいですね。

ARTISAN
GEAIM に登場した多くのプレーヤーが ARTISANのゲーミングマウスパッドを絶賛。

5. その活動を始めたきっかけについて教えてください

最近は仕事がメインで特に活動らしいことをしていないので Quake3 の活動を再開したことについて振り返ってみます。

Quake3 の活動再開について

Quake3 は 2000 年からはじめて 2001 年の中旬くらいまで遊んでいたのですが、 中級者には勝てるけど上級者には勝てないという壁にぶつかって一度やめてしまいました。 負けるたびに精神的ダメージを負うのがとてもきつかったです。

Quake3 をやめた後は Tribes2 という FPS を 1 年ほど遊んでいましたが、 人が少なくなってきたことと飽きてしまったので自然とやらなくなりました。

Tribes2 をやらなくなったころは Diablo2 などをやっていたのですが、 Quake3 で強い人に勝てなくて悔しかった「もやもやした気持ち」がある日ふと蘇ってきて もう 1 回 Quake3 を始めてみようかなと思い、2002 年の 10 月ごろに再び Quake3 での活動を再開しました。

話の本筋からは逸れてしまいますが、Quake3 を再開した際に行ったことは以下の通りです。Quake3 を再開したときにまずはじめたことは、どうやったら 1on1 で勝てるのかを考えるところからでした。 1on1 で勝つためには様々な要因がありますが、シンプルに考えて以下の 2 つを結論付けました。

1.死なないこと

Quake3(QuakeLive)の 1on1 は死ぬ状況を作ったらほぼ確実に死ぬゲームバランスになっているので死なない状況を作るために何をすればいいのかを考えました。

2.最終的に相手のスコアを上回ること

Quake3 のパッケージに記載されている格言に「強いものが勝つのではない。勝った者が強いのだ」とあるとおり最終的に相手のスコアを 1 でも上回ればいいので、そのために最善を尽くすことを心がけました。

基本的には以下のような PDCA サイクルを回すことで徐々に強くなっていったと思います。

●計画(Plan)の段階
現時点での弱点や反省点、気をつけるべきことを
すべて箇条書きで洗い出してテキストにまとめ、1on1 に臨みました。

●実行(Do)の段階
計画の段階で洗い出した反省点などを踏まえて
同じ失敗を繰り返さないように気をつけました。

●点検・評価(Check)の段階
1on1 で実際に自分がとった行動を demo から洗い出し、
計画の段階で洗い出したことが出来ているか、
他に反省点、気をつけるべき点があるかを確認しました。

●改善(Act)の段階
Check の段階でできていなかったことをテキストに追加したり、
是正策を考えたりしました。

上記の PDCA サイクルを意識しながら 1on1 を行い、対戦相手がいないときは bot との個人練習などを行った結果 2 ヵ月後くらいには今までまったく歯が立たなかった相手にも勝てるようになりました。

また、漫然と 1on1 をしていた頃と比べて負けたときの精神的ダメージがかなり少なくなりました。 負けた原因から改善点が見つかることが多いので「負けて悔しいしムカツク!!」だけで完結せず 「反省点を見つけて改善する」という風に考え方を変えることで、さらなる成長の可能性があることを理解したためです。 スポーツなどでもそうですが、自分の上達を実感できると楽しいですから。

上記の体験からは「物事を上達するための基本的なプロセスと考え方」を得られたと思います。 最終的な目的は「1on1 で勝利すること」でしたが、そのためのプロセスとして「何をすべきか」というのを強く意識し 適切なフィードバックを継続することで徐々に強くなれたのかなと思います。 なかなか上達しなくて壁にぶち当たってる人がこれを読んで少しでも上達の助けになったら幸いです。

ARTISAN のテスターについて

ARTISAN でのテスターについてですが、小林社長に Twitter などで連絡をもらって試作品をいただいて感想を送ってます。 ARTISAN の作るマウスパッドは設計思想が新しく、かなりとんがっていて前衛的なので使っていてすごく面白いです。 特に飛燕の試作品を触った時は、ここ 5 年くらい停滞している布系マウスパッドの進化が一気に加速した印象でした。 布系のマウスパッドを使用している方にはぜひ一度手に取っていただきたいです。

ブログについて

あとは、今はかなり放置しちゃってますけどデバイスのレビューとか Quake に関してのブログ書くとそこそこ反応があったので 気が向いたときはブログを更新するようにしてます。 最近は Twitter が楽すぎて Twitter に書いてしまうことが多いですけどね。

6. どのような目標でその活動をされていますか?(過去と現時点におけるゲームとの接し方 距離感について)

学生時代に意識していたこと

学生時代は特に目標は無かったですね。 「1on1 で勝つ事」と「さらに上達する事」くらいでしょうか。 ESWC とか海外の大きな大会に出たいなーくらいは思ってましたけど、 「こういうプレーヤーになりたい」とかはなかったです。

現時点の目標やゲームとの接し方

現時点における目標みたいなものについては ゲーム以外のこともいろいろ大事なのでいろんなことをやるようにしています。 学生時代にゲームをやりすぎていたせいで社会に出てから苦労したので ゲーム以外のことに対して意識的に時間を割くようにして、とりあえず興味を持ったことはやってみるようにしてます。学生時代と比較するとゲームに裂く時間はかなり減っていて 今は週末の空いているときに 1,2 時間ゲームする程度です。

睡眠時間を削れば平日にゲームすることも可能なのですが 仕事のパフォーマンスが極端に落ちてしまうので、最近は平日のゲームを封印しています。 本当はゲームやりたいんですけど一度やりだすと歯止めがきかなくなってしまうのでつらいです。 もう少し練習する時間があって機会があれば大会などにも出場したいですね。

デバイスのレビューなど

デバイスのレビューは FPS に飽きてデバイスにこだわらなくなるまで続けたいです。 レビューに関しては以下の 3 点に気をつけています。

  1. 自分の考えを文章にまとめて理解すること 感覚的に理解していることをまとめるのには文章を書くのが最適なので意識しています。
  2. 読みやすい文章を書くこと なるべくわかりやすいように書いています。
  3. レビューをきっかけに多くの人に手にとってもらえること 悪いと思った部分も書きますけど、自分がすばらしいと思ったものは特に手にとってもらいたいですね。

7. その活動、もしくはゲームを通じて人生に何か影響がありましたか?

ゲームは人生に大きな影響を与えました。 すばらしい人たちと知り合うことが出来たこと。 上達するためのプロセスを身につけられたこと。 物の考え方に影響を与え、継続することの重要性を身をもって理解しました。

ゲームで知り合った人から様々なことを教えてもらい、趣味の幅が広がり、興味の対象が増えましたし 困っているときに助けてもらったことも多いです。 ゲームで知り合った人たちに助けてもらって人生が何とかなっている感がかなりあります(笑)

ゲームに費やした時間は非常に多いですが、様々な良い影響を与えて頂きました。

8. 使用しているデバイスとそれを使っている理由を教えていただけますか?

マウス『Razer Abyssus』

軽いのと QuakeLive トップクラスの Cypher や Cooller が使用しているので実績があること、
持ち方の自由度が高いので状況に応じて持ちわけが出来ることが理由です。

マウスソール『Hyperglide Mouse Skates MX-2』

Hyperglide くらいの滑りが好きなので。

マウスパッド『ARTISAN 飛燕 Soft L サイズ』

いろいろマウスパッドを使ってきましたけど、滑りがちょうどいいので。

キーボード『RT2158TW』

今は Wolfcam QL という QuakeLive のムービー作成ツールで動画を作成しているので
日本語キーボードだとキー配置がバグってしまうため、英語キーボードを使用しています。
NMB の OEM なので特に不満は無いです。

ヘッドセット『FitEar Private 333 または HD-650 マイクは SteelSeries Siberia Microphone(白)』

1on1 の時は Private 333 というイヤフォンを使用し、チーム戦の時は HD-650 を使用してます。 イヤフォンは音が多すぎると定位がおかしくなるので。

モニタ『FlexScan T962』

120hz 液晶などが出てかなり改善はされていますけど、まだイマイチなので CRT を使ってます。 でかくて重くて邪魔です。

toriyama_desk
toriyama さんのプレー環境。

9. 注目しているゲーム、e スポーツに関するものサイトやブログがあったら教えてください。

Touchy.jp

QuakeLive で同じクランに所属している Touchy さんのブログです(売名行為ではありません)。ARTISAN のマウスパッド『飛燕』が反る原因を特定したので注目してます。 もっとレビュー書いてほしいですね。

Touchy.jp
Toucy.jp

気の迷い

サドンアタックプレーヤー kaminage さんのブログです。僕自身 SA はやってないのですが、更新頻度が高いのとネタが面白いので。

気の迷い
気の迷い

ESReality

uNleashed さんもお勧めしていましたが、Quake の情報が豊富なので。

ESReality
ESReality

10. サイトを見ている人に何かメッセージがあればお願いします。

有名な方々がインタビューに答えている中、インタビューまわしていただいてありがとうございました。 今後ものんびり QuakeLive を続けたいと思います。 QuakeLive は人口が少ないので、興味があったらぜひぜひ遊んでみてください。

11. 次に、ゲームや e スポーツでがんばっていると思う方をこのインタビューにご紹介していただけますでしょうか

StarcraftII プレーヤーの breek さんです。プロゲーマーの Idra 選手に勝利し、勢いを感じているので。



toriyama さんありがとうございました。Duel の上達に対する知識や取り組みの方法を公開していただきました。次回は toriyama さんのご指名により Starcraft2 プレーヤーの breek さんが登場予定です。お楽しみに

toriyama プロフィール toriyama プロフィール
『Quake』シリーズのプレー歴 10 年以上。現在は社会人としての生活をメインとし、自由な時間を使ってゲームを楽しんでいる。
toriyamancom http://twitter.com/toriyama/

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